認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy

はじめに

心理学の分野では、数多くの治療法が存在しますが、特に注目を集めているのが「認知行動療法」(Cognitive Behavioral Therapy、略してCBT)です。この記事では、CBTの基本原理、その効果、そして実践方法について解説します。

CBTとは何か?

認知行動療法は、不健全な思考パターンや行動を変えることで、心の問題を改善する治療法です。このアプローチは、特にうつ病、不安障害、ストレス関連の問題に効果的であり、科学的な研究によってその有効性が証明されています。

CBTの原理:「思考」、「感情」、「行動」、「身体」の関係

CBTの中核を成すのは、「思考(認知)」、「感情」、「行動」、「身体」の4つの要素の相互関係です。不健康な「思考」がネガティブな「感情」を引き起こし、それが問題行動につながる、身体に不調が出るというサイクルを断ち切ることが、CBTの目標です。

この中で自分の意思でコントロールできるのは「思考(認知)」と「行動」です。自分の悲しい、怒り、落ち込み等の気持ちをコントロールしようと思ってもできません。身体反応として生じる頭痛や腹痛もコントロールするのは難しいです。

認知行動療法は、認知と行動を変えていくことで、感情や身体に出る悪い反応を減らしていこうという療法です。
行動面:行動を変えてみる、自分の中で調子の良くなる行動を見つけ試していく
認知面:他の考え方はないか、その考え方は本当に正しいのか、その考え方をするメリットはあるのか等を考えていく。

(例)
①気持ちが沈んでいるので家でゴロゴロしていた方が良い
⇒気持ちの変化を確認した所、ゴロゴロしていても気持ちは上向かず、外に出て買い物した方が気分が良い方向に変化することが分かった。
⇒今後は、気持ちが沈んでいる時は外に出てみよう。


②職場で怒られた。全部自分が悪いんだ。自分は何もできない…。
⇒本当に100%自分が悪いのか。100%悪いなんてことはあるのか。自分は本当に何もできていないのか。できていることもあるのではないか。
⇒自分が悪い部分はあったが、自分だけのせいでは無かった。また、今回はミスしたけどそれまではミス無くできていたので、自分は何もできない訳では無い。
⇒少しずつ思考の幅を広げる練習をしていき、思考の柔軟性を広げていき、楽に生きられるようになる。


これらのことを、カウンセラーは相談者様と一緒にやっていきます。カウンセラーが一方的に指示を出してやらせるのではなく、一緒に考え、一緒に治療をしていく双方向性を意識していきます。

CBTの効果:心理的な問題への対処

CBTは、うつ病、不安障害、パニック障害、強迫性障害、ストレス関連の問題など、さまざまな心理的な問題に対して効果的と言われています。


当室では、公認心理師が認知行動療法を提供しています。認知行動療法に興味のある方は、ぜひ当室をご利用ください。

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